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【歴史分野】「打製石器」「磨製石器」の違いと「旧石器時代」「新石器時代」の違いを解説!

こんにちは!

 

シャカサバ!」久しぶりの更新です!

 

今回は歴史の記事です!
旧石器時代新石器時代」について書いていきます!

 

 

1、「道具」って便利!

さて、みなさん。

前回の「人類の出現」の記事のところで、

 

今から数百万年前、人の祖先「原人」が「道具」を使うようになった、と書きました。

 

道具というものは、
人々の生活を豊かなものにしてくれます。

 

例えば、私たちが生きるためには、栄養を取らなければなりません。

はるか昔は今のように店なんてないですから、

自分の力で食料となる動物を捕まえたり(狩猟)、
植物の木の実を取ったりする(採集)必要がありました。

 

そのためには、例えば狩猟だと、その動物を倒さなくてはいけません。
また、木の実を取るために森の奥へ入る際には、
いろいろな草や木を切り分けなければいけません。

 

もしこれを「道具なし」でやるとなるとどうでしょうか?
動物を捕まえるとき、素手で戦い合うのでしょうか?
素手で木をなぎ倒すのでしょうか。

 

それは無理な話ですよね。

 

そこで、それらの問題を解決すべく、
道具が使われるようになったのです。

 

では、その道具の材質は何なのでしょうか?
動物をしとめたり、木材を切ったりするためには、
硬く丈夫な材質でないとダメですよね。

 

鉄などの金属!でしょうか?

 

しかし、まだこのころは、金属を作る技術は存在しませんでした。
金属を加工する技術。
そんなもの、まだまだ存在しない時代でした。

 

2、その辺に転がっている「石」が「道具」に?

 

では、何を使ったのか。

 

それは、私たちの身近にあるもの…

その辺りに転がっているもの…

 

そう、です。

 

人々は、石を生活に役立つような、
強い「道具」にしたのです。

 

3、石を打ち砕いて製作した「打製石器

 

そのあたりに落ちてある石は、何か「物が切れる」ような鋭い(するどい)ものではありません。
しかし、石を打ち砕いた場合、うまく砕ければ石は包丁や尖っているもののように鋭くなります。

 

打ち砕いて、鋭利(えいり=鋭いこと)な刃物のようになった石は、
動物を狩猟したり、木を切ったりすることができる「道具」になりました。

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それらの道具は、具体的に例を挙げると、石を打ち砕いて作られたするどいナイフ(やじり)、(やり)、ハンドアックス(手おの…短い持つところがある斧[おの])などです。

 

 

これらは、「ち砕いてした石器」ということで、
打製石器」と呼ばれます。

この打製石器が使われ始めたのは、世界的にみると大体200万年ほど前です。

 

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動物の狩猟(しゅりょう)や、樹木の伐採(ばっさい)や加工のために使われていました。

 

4、石を磨いて製作した「磨製石器」の登場!

さて、そうやって人々はこの石を打ち砕いた打製石器のみを用いていました。

 

しかし、その後、新しい石器が登場します。

 

それは、砂と石をすり合わせたり、石同士をすりあわせたりして表面を滑らかに加工した石器です。

 

この石器は、かれて作された石器なので、
磨製石器」といいます。

世界的にみると、今から約10000年前とも、8000年前ほどから使われるようになったと

言われています。

 

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ものを切るのに用いられていた石器ですが、石を磨くことにより、
さらに切れ味や鋭さが上がりました。

 

種類としましては、稲を刈るときに使われた石包丁や、
魚や動物の皮を剥ぐための石匙(いしさじ)、
釣りの道具として使われた石錘(せきすい=石のおもり)、
また、料理をするためのすり鉢として使用された石皿(いしざら)などがあります。

 

5、「旧石器時代」と「新石器時代」の違い

 

さて、この石器が使われた時代は、
大きく分けて前半と後半に分けられます。

 

前半は、打製石器のみが使われた時代で、「旧石器時代」といいます。

世界で見れば、大体200万年前辺りから始まったといわれています。
後半は、打製石器に加え磨製石器が使われるようになった時代で、「新石器時代」といいます。

世界で見れば、大体今から1万年前辺りから始まりました。

 

*補足ですが、「旧石器時代」「新石器時代」の定義は諸説あります。

「牧畜・農耕が始まれば『新石器時代』になる」という考えもあります。

しかし、牧畜・農耕が始まっていなくても『新石器時代』と定義される場所もあります。

歴史というのは、様々なとらえ方があるのです。その辺りはご理解いただきたいと思います。

 

6、「新石器時代」のよく勘違いされていること

ここでよく勘違いされるのが、「『旧石器時代』から『新石器時代』になって、

打製石器は使われなくなった」ということです。

 

新石器時代でも、打製石器は引き続き使われていました

打製石器磨製石器共存していた時代だったわけですね。

 

すなわち、各時代で使われた石器は、

旧石器時代打製石器

新石器時代打製石器+磨製石器

 

…というわけです。

ここ、勘違いされやすい点なので、覚えておいてくださいね!

 

ちなみに、世界的には旧石器時代は200万年前ほど前に起こったわけですが、

日本では昔は、旧石器時代は存在しないと考えられていました。

 

しかし、1949年に、相沢忠洋という人物が、

旧石器時代に作られたであろう打製石器を発見し、

日本にも旧石器時代はあるといわれるようになりました。

 

この相沢忠洋さんのお話は、また追々したいと思います。

 

7、まとめ

さて、本日のまとめです。

 

・動物を捕まえるためや、木を切るためなどの用途で、ずっと昔の人々は「」を加工し道具にした。石を加工した道具を「石器」という。

・石を打ち砕いて製作された石器は「打製石器」という。

・石を磨いて製作された石器は「磨製石器」という。

・「打製石器」のみが使われた時代を、「旧石器時代」、「磨製石器」が使われるようになった時代を「新石器時代」と呼ぶ。なお、新石器時代打製石器は引き続き使われていた。

 

…といったところです。

 

それでは、久しぶりの記事になりましたが…

最後まで読んでくださいまして、ありがとうございました!